- スペシャル
- 関連ニュース
- イベント情報
- チュートリアル
- Poser使用例
- Poserビジネス活用術
- 第3回
- 第2回
- 第1回
- Poserケーススタディ
- ドラゴウノさん/海瀬裕次さん
- 徳田じざべさん
- Albo HELM氏
- Ulrich Klumpp氏
No.001
人間や動物などのフィギュアを3DCGで簡単にデザインできるというユニークなソフト、Poserシリーズ待望の最新バージョンであるPoser 7日本語版が2007年2月16日に発売されました。Poser 7に搭載された最新機能や新バージョンに込めた思いなどを、開発責任者であるe frontier America,Inc.のUlrich Klumpp氏(以下、Uli)に伺いました。
(聞き手:BNN新社 西脇 イサオ)
直接見えない部分にも心血を注ぎました
西脇:Uliさん、こんにちは。まずはPoserシリーズの開発体制について教えてください。
Uli:西脇さん、そして日本のみなさん、こんにちは!Poserシリーズの開発には、主要エンジニアとして7人のスタッフが携わってい ます。そして、新バージョンであるPoser 7をより良いものにするために、全社的に多くの人々がテスティングに参加したり、アイデアを提供してくれました。私たちは、CGの専門家はもちろん、有望な若いスタッフにも恵まれていることを光栄に思います。
西脇:Poser 7の開発は、まさに全社的なプロジェクトというわけですね。Poser 7はそんなみなさんの力で多くの新機能を搭載してリリースされたわけですが、Uliさんがもっともアピールしたい機能は何でしょうか?
Uli:Poser 7にはパワフルな新機能をたくさん搭載しました。たとえば、これまでよりもはるかに柔軟になったモーフィングツールなどは多くのユーザーが喜んでくれると思います。
でも、私がアピールしたいPoser 7のポイントは、実はユーザーのみなさんには見えにくい部分での機能改良なんです。それは、たとえばFireFlyのレンダリングエンジンの改良し、拡張性と堅牢性を向上させたことや、マルチプロセッサに対応させることで、最新のマルチコアCPUパワーを利用できるようになったことなど。より強力なタイルドテクスチャキャッシングにより、従来では困難だった大きなサイズのテクスチャを扱えるようになったことも上げられます。
その他にもユニバーサルバイナリー化したことで、Intel Macのパフォーマンスを最大限に引き出せるようにしたり、マルチプルアンドゥを導入することで初心者はもちろんのことベテランユーザーの方も制作効率を大きく向上してもらえるようにしたりと、使い心地や使い勝手を良くする方向の改良ができたことがなによりも注目してもらいたいところなのです。
様々なユーザーに、より創造的で便利なツールとなるように
西脇:なるほど。Poser 7は土台部分からパワーアップした、というわけですね。では、そんなPoser 7の日本語版開発において苦労した点はなんですか?
Uli:機能的なものは英語版と同じなので特に問題はないのですが、やはり日本語のテキストが正しい内容で正しい場所に正しく配置できているかどうかを確認することに一番苦労しました。Poserのユーザーインターフェースは独特なものですから。
西脇:これまでのPoserシリーズに比べても、かなり日本語化には力をいれた感じがしますね。ところで、Poserシリーズはアメリカではどんな使われ方をされているのかを教えていただけますか?
Uli:Poserはユニークなソフトで、使われ方も非常に多岐にわたっていますが、大きくわけるとホビー、教育関係、そして業務ユース の3つに別れます。
ホビー系のユーザーは文字通りデジタルフィギュアアートを作成したり、Poserのフィギュアを見ながらデッサンしたりといった使い方ですね。
教育関係では授業でアニメーション作成用に使ったり、学術的な研究用途にPoserのフィギュアを使ったりしているようです。
業務ユースとしては雑誌広告などのグラフィックデザイン、アニメーション製作用のストーリーボード、テレビCMなどでの実写合成などに使われています。
おもしろいところでは、警察関係の方にも使っていただいてます。科学的捜査のためのアニメーションを制作したり、犯罪現場の再現にPoserのフィギュアが効果的に活用されているようです。
このような様々なユーザーに、より創造的で便利なツールとなるようにPoserを進化させていきたいと思います。
すばらしい作品の多くが「Made in Japan」です
西脇:警察にも使われているのですか。確かに、Poserなら手軽に3Dフィギュアをコントロールできますから、CGの専門家でなくても簡単に人物を使った3Dアニメーションが作れますね。それでは最後に、Poser開発チームから日本のPoserユーザーのみなさんにメッセージをお願いします。
Uli:Poserを開発する私たちにとって、日本はとても大切な国です。Poserシリーズは最初のバージョンからすべて日本語版をリリースしてきました。日本には本当にたくさんの3DCGアーティストがいて、日本のPoserユーザーの作品には、その表現力の高さや創造性にいつも驚かされます。実際、すばらしい作品の多くが「Made in Japan」です。Poser 7日本語版で、さらに多くのファンタスティックな作品が発表されることを楽しみにしています。
西脇:今日は、本当にありがとうございました。Poserシリーズのさらなる進化を楽しみにしています。